国内大手光デバイスメーカー 品質保証部 様
既存の光源を有効活用した64chオンライン損失変動試験システムを導入。
複数波長でのオンライン試験が一度で出来るようになり、業務効率が向上した。
効果
お客様のニーズ・課題
- 既存のシステムでは1回のオンライン試験で1波長分しか出来ず、又試験中は操作出来ない為、ポートが空いていても活用出来なかった。
- TelcordiaR(Verizon)試験のニーズが増えてきた。
導入効果
- 2~4波長一括同時測定が可能になり、従来の2~4分の1の時間で測定する事が可能になった。又、空きポートの有効活用が可能なシステムなので、突発的な業務に対応出来るようになった。
- 損失変動データと温湿度データが一つのCSVファイルに保存されるようになったのでレポート業務が効率化された。
現状
お客様の主な業務
- 光デバイス(パッシブ部品)の品質保証
- 各仕様品や新規開発品の環境試験を行うセクション
- ユーザーリクエストによる使用実績品の再検証
導入前までのお客様の状況
- 環境試験機や光マルチメータ等を複数台所有
- 信頼性試験システムは1波長対応型を利用
- オンライン試験のデータはロスデータと温湿度データと別になっている
現状の問題点と要望
- 2~4波長の測定をするのに倍以上の時間が掛かる(2~4回やらなくてはならない)。
- 試験槽の温湿度情報を測定値と一緒に取り込みたい。
- 担当が代わっても、誰でも使える操作が簡単なシステムがいい。
- 限られた予算枠内で実現したい(予算600万円)。
導入までのフロー
導入背景
顧客対応力を強化する為に、オンライン検証試験のキャパ(Capacity)を向上させる。
光スプリッタのオンライン試験は、今まで1波長対応の装置を使っていました。 1310nmと1550nmでの評価をしたい場合、1310nmの試験を長期で実施、そのあとに1550nmの試験を実施するという状態でした。
また、試験実施中は強制終了以外システムを操作する事が出来なかった為、急な試験要請があっても
直ぐには対応出来ないでいました。 更に、Verizon試験では1310nm/1550nmだけでなく、1490nm/1625nmでの評価も必要な為複数波長をいっぺんに測定出来る設備が理想でした。
選定理由
既存の光源を流用出来るだけでなく、温湿度データも抽出でき、
費用対効果も大きい為。
選定のポイントは、
①既存(余っている)光源を活用出来る事。
②恒温湿槽内の温湿度情報を抽出し、損失データと同じファイルに反映出来る事。
③試験中でも空いているポートを利用でき、複数の試験スケジュールを同時に実施出来る事。
システム内容
マルチチャンネル光パワーメータを中心に制御ソフトも含めた64chシステム。
①光センサ部:Opto Test社のInGaAs24chパワーメータ2台と、16chパワーメータ1台の計64ch。
②光源部:お客様所有のA社製安定化光源2基。A社製チャンネルセレクタ(波長切替用)。光スプリッタ内蔵パネル(光源分岐用)。
③環境試験機:お客様所有のエスペック社製恒温恒湿機(GPIBインターフェース付き)。
④制御部:LabView信頼性試験プログラムソフトウェア、WidowsXPパソコン。
⑤通信部:USBポート×3、GPIBポート×1。 システムアウトライン図
導入効果
複数波長でのオンライン試験が一度で出来るようになり、業務効率が向上した。
複数波長での長期試験は、光源(波長)の数だけ同じ測定を繰り返す必要がありました。
本装置の導入により、複数の光源を切替ながら1回で複数光源分のデータを取得出来るようになりましたので、営業さんからの要請にも順応になり、且つ業務の負荷も軽減されました。
今後の展望
CWDMなどのオンライン試験も出来るフレキシブルな運用をはかる。
1310nm/1490nm/1550nm/1650nmの4波長測定だけでなく、1471nm~1611nmのCWDM8波長の損失変動データも1回の環境試験で取得出来る装置なので、MUX/DEMUX等、多岐にわたる光デバイスに対応した運用が期待できます。